
別府リハの回復期リハビリテーション病棟の特徴は、多くの専門職がチームを組み、患者・ご家族のみなさまとともにリハビリテーションの目標達成をめざす「チーム医療」です。
そのチーム医療を実践するうえで重要な場である、「多職種カンファレンス」の充実に向けた職員勉強会を、先日開催しました。
多職種カンファレンスでは、医師、看護師、リハビリテーションの療法士等が集まりそれぞれの専門職が専門性を発揮するために情報を共有し、課題を見つけ、チームで目標を設定、介入方法の検討をおこないます。
さらにその内容を患者・ご家族のみなさまと共有したうえで、リハビリテーションを提供しています。

グループで意見を出し合います

勉強会は前半を講義、後半をグループワークの構成でおこないました。
講義では、現状の課題や目標設定の方法について触れ、グループワークでは、より良いカンファレンスにするための意見などが提案され、とても充実した勉強会になりました。
今後も、質の高いリハビリテーションを提供できるよう、スタッフ一同励んでまいります。

発表が優秀演題にえらばれた萱島職員(左)と瀬々職員(右)
先日開催された全国規模の研究発表の場で、別府リハの看護師と理学療法士の発表が、それぞれ優秀演題にえらばれました。
えらばれたのは「回復期リハビリテーション病棟協会 第39回 研究大会 in 東京」で発表した、回復期リハビリテーション病棟に所属する看護師の萱島 千治職員と理学療法士の瀬々 敬仁職員の演題。
この「回復期リハビリテーション病棟協会 研究大会」は、全国の回復期リハビリテーション病棟を持つ医療施設のスタッフが集まって研究発表やさまざまなシンポジウム、講演などが催される一大イベントです。
萱島、瀬々の両名は、看護やリハビリテーションの現場でたいへん重要な「認知症」と「栄養」について、日頃から関心を持って勉強をつづけていました。
今回、その成果が優秀演題というすばらしい結果につながり、本人たちはもちろんのこと、別府リハの職員一同、とても誇らしく感じています。
ふたりは「研究大会への参加をとおして、回復期リハビリテーション病棟ではたらく多くのスタッフの方と交流することができ、あらたな発見とよい刺激を受けました!」と話していました。
学会や研究大会での発表や参加による学びが、利用者のみなさまへの質の高いサービスにつながっていくよう今後も努めてまいります。

ズラリと並ぶ先輩の前での発表は緊張しますがとても勉強になりました
別府リハの回復期リハビリテーション病棟の療法士が所属するリハビリテーション部ではこの時期、別府リハ1年目の職員(新卒者、既卒者ともに対象です)が、担当した方に対しておこなったリハビリテーションをふりかえり、その中で感じた気づきや疑問を先輩療法士にぶつける「1年目職員事例検討会」を毎年おこなっています。
今年度は4名の1年目療法士(理学療法士、作業療法士、言語聴覚士)が発表をおこないました。
別府リハでは「365日リハビリテーション」をおこなっていることから、1年目療法士の担当する方のリハビリテーションを先輩療法士が担当する日もあり、現在進行形でリハビリテーションをおこなっているときにも、先輩の指導を受けたり質問をしたりしやすい環境です。
しかし、時間をおいてあらためて論理的に整理すると、リアルタイムではきづかなかった疑問が湧いてくることはよくあること。
検討会本番では、作成した資料や電子カルテをつかって、退院までのリハビリテーションの経過を報告するとともに、今回整理するなかであらためて生じた疑問を述べました。
それぞれの発表後におこなわれる質疑応答では、先輩療法士から、厳しくも愛ある多くの質問やアドバイスが。
ひとりの先輩がコメントすると、さらにそれを受けてアドバイスをくれる先輩もいて、ディスカッションの場はどんどんあたたまっていきました。

質問の意図を正しくとらえて適切に答えることも発表では大切です
1年目療法士が先輩たちの質問に答える姿はじつに堂々としていて、アドバイスをする先輩や上司も、彼らの成長をとてもたのもしく感じました。
発表を終えたひとりは「同じ職種の先輩からの助言はもちろんですが、今回はほかの職種の先輩からも質問やアドバイスをいただくことができ、異なる視点からのご意見は、とても勉強になりました」と話していました。
また、彼らの発表を準備段階からサポートした先輩療法士からは「入院中にも症状の評価やリハビリテーションの内容について相談にのっていましたが、退院後あらためて一緒にふりかえると、より一層、リハビリテーションを受ける患者のみなさまの視点で考えることができました」といった感想が聞かれ、先輩たちにとっても良い学びの場となったようでした。
別府リハでは、職員が安心して成長できる職場づくりをこれからもおこなっていきます。

別府リハの回復期リハビリテーション病棟では、新人教育の一環として、新人理学療法士・作業療法士・言語聴覚士が、自分の担当した方に対しておこなったリハビリテーションをふり返るとともに、そのなかで生じた疑問を先輩セラピストにぶつける「新人事例検討会」を開催しています。
この検討会では、スライドや抄録など、学会のようなプレゼンテーション資料を作らずに、日頃使用する「電子カルテ」にあるデータを使って説明をおこなうことで、研究の練習をするのではなく、毎日の臨床の力や考え方を育てることをめざしています。
しかし、こういったスタイルでおこなうはじめての検討会は、どうやってふり返っていけばよいのか、どのようにすれば聴いてくれる人に伝わるのかなど、新人にとっては難しいことだらけです。
そこで今年度から、準備を始める1年目職員に対して、先輩たちが「こうやって発表するんだよ」とお手本を示す機会を作ることにしました。

模範プレゼンテーションをおこなってくれたのは、理学療法士・作業療法士・言語聴覚士それぞれの先輩。
先輩たちはスクリーンに映した電子カルテを上手に使って、脳画像や、リハビリテーションの目標、介入方法、経過などをわかりやすく説明してくれました。

ひとつのプレゼンテーションが終わるごとに時間をとった質疑応答では、1年目の職員以外にも手を挙げる職員が多く、たくさんの質問や意見、アドバイスが出て、和気あいあいとした雰囲気の中、有意義な時間となりました。

前方の席でプレゼンテーションをしっかり見た新人職員からは、
「先輩たちが日ごろどのようなことを考えてリハビリをしているのか、知ることができました」
「どんな風に発表するのか、発表の流れを理解することができました。」
「抄録やスライドを使わないで発表する形式を初めて見て、自分で発表するイメージが湧きました」
などの感想が聞かれました。
別府リハでは、今後も新人職員が安心して成長できる環境を整えていきます!