障害者支援施設「にじ」では、3月17日に管理栄養士による健康教室を開催しました。

今回のテーマは「減塩について」でした。
塩分の多い食事は、高血圧や動脈硬化など様々な病気に繋がります。
施設入所されている利用者さまは、栄養バランスの良い食事をとられておりますが、退所後も食事に気をつけて、健康的な生活を送れますように「にじ」では学びの機会を提供しております。


健康教室の中では、減塩のポイントや日常生活で簡単にできる取り組みが紹介されました。
「食材を購入する時に気をつけることは?」
「味付けはどうすればいいのか?」
「食べる時にどんな工夫をしたらいいか?」
などの疑問に対して、スライドを使いながら説明しました。

終了後、利用者のみなさまからは、「自分のためになりました、良い話でした。」「わかりやすく伝わったと思います。」といったご感想をいただきました。
これからも健康を守るために、おいしく、正しく減塩に取り組みましょう!
去る2月14日、障害者支援施設「にじ」では、バレンタイン杯卓球バレー大会を開催しました。

開会式後、4チームに分かれ、ルールを確認中
卓球バレーとは、「卓球」と「バレーボール」のルールを組み合わせた6人制のスポーツで、椅子に座って、卓球台とラケットを使い、音のなるピン球を3打以内に相手のコートに返すというルールでおこないます。
この卓球バレーは「にじ」ではお馴染みのスポーツで、通常の訓練メニューにも取り入れており、毎回盛り上がっております。
大会の告知後、参加者に合わせてチームを編成しました。
我こそはと名乗り出て下さる利用者さまが多く、合わせて4チーム、すべて利用者さまで構成する運びとなりました。
(利用者さまが用事で抜けられた時には、職員が入らせていただきました。)

お茶を飲んで小休憩
土日祝日などの空き時間に自主的に集まり練習を重ね、試合に挑んでくださる方も多くいらっしゃった今大会。
結果はいかに!?

閉会式、結果発表!
利用者のみなさまの笑顔あふれる良い大会となりました。

障がいについて説明をしています
2月3日、別府リハの障害者支援施設「にじ」の就労移行支援では、職場の人や就職活動に向けて自分を紹介する「私について」というプレゼンテーション発表会をおこないました。
就労移行支援の利用者のみなさまは、昨年11月頃から準備を始め、ご自身の病気や障がいについて調べ、まとめました。
障がいと向き合い、それを文字に起こすことは、時にタフな作業となりますが、みなさま真摯に取り組まれていて、その姿勢には職員も頭が下がる思いでした。

他の利用者さまのプレゼンも聞いています
スライドの作り方を学び、配置や表現方法を考え、何度も推敲を重ねて原稿を作ります。
タイマーで時間を計り、声や言葉が出にくい方も読みの練習を重ねてきました。
当日は、別府リハの他部署の職員も多く見学に来ており、発表者のみなさまは少し緊張気味でしたが、発表は分かりやすくまとめられていて、お一人おひとりの個性や人柄がよくあらわれたすばらしい内容でした。

他部署から多くの職員が見学に来ました

他部署の職員から質問を受けています
利用者のみなさまはそれぞれ、普段接している中ではわからないような障害を持ち、苦しみながらもそれを補う工夫をしながら生活されています。
このプレゼンは、それらをまとめ、周囲の方々に理解していただくツールの一つです。

発表後に施設長からのあいさつがありました
発表されたみなさまが、この資料や発表体験をもとにご自身を紹介し、将来に役立てることができますよう願っています。
障害者支援施設「にじ」での訓練を経て、令和4年4月から「にじ」で働き始めたAさん。
現在は就労定着支援をご利用になられています。
今回の支援内容は「野菜を使った食事づくりの提案」です。

包丁で野菜を切って・・・
脳卒中により障害が残るAさん。
「にじ」での就職が決まって一人暮らしを開始し10ヶ月が経ちました。
仕事を丁寧にこなし、今では「にじ」にとって、なくてはならない存在になったAさんです。
しかし、「にじ」に入所していた頃に比べ、体重や健康診断結果に変化が・・・。
毎日の食事内容を書き出していただくと、栄養の偏りや野菜不足が原因の一つと思われました。
そこで、就労定着支援事業の支援として調理訓練をおこないました。

手際よく進めていきます
メニューにたっぷりの野菜を使った「鍋」を提案し、余った材料で「親子丼」も作りました。
左手の片手作業ですが手際よく包丁を使い、卵も上手に割ることができました。
鍋の素は個包装されているタイプで好みの味であったため、今後も活用できそうです。
作った料理で食べきれない分は冷凍庫で保存し、後日追加で麺を投入するなどして、全て食べきることができました。

おいしそうな鍋が出来上がりました
Aさんに限らず、一人暮らしの方は栄養の偏りや運動不足が原因で、気づかぬうちに病気の再発リスクが高くなっている場合があります。
健康チェックや生活面のアドバイスをすることも、就労定着支援の役割の一つです。
Aさんにはこれからも健康を維持していただき「にじ」で長く働いていただきたいとおもっています。
Aさん、今後ともよろしくお願いします。

おみくじを引きました
障害者支援施設「にじ」では、令和5年1月5日、利用者さまと一緒に火男火売神社に初詣に行きました。
初詣とは、「一年で一番はじめに神社やお寺にお参りに行き、新しい一年の幸せを祈願する」ことをいいます。
にじの利用者さまは、病気や事故により、身体の障がいが残っている方がいます。
砂利道や坂道を歩くこと、社殿への階段を上ることが大変な方、お賽銭をお財布から出すのに片手で苦労される方もいました。
それでも境内まで上がり、みなさまお参りをすることができました!

みんなでお参りをしました
「家族の幸せを!」
「みんなの幸せを!」
「体がよくなりますように!」
「就職できますように!」
「早く家に帰りたい!」
それぞれの願いを込めて、手を合わせました。
おみくじをひき、お守りを購入して清々しい新春の一日を過ごすことができました。

大吉でした!

お守りどれにしようかな?

みなさんと初詣に行きました
昨年は、困難なことが多かった一年、2023年はみなさまの願いが叶いますように。

障害者支援施設「にじ」で長年訓練に取り組まれたAさん。
右片麻痺、失語症、そして難病を抱え、社会生活を目標に訓練を続けられました。
「にじ」の仕事への取り組み方はいつもていねい、正確で、責任感も強く安心してお任せできました。

長い訓練期間には、難病の影響で、動きにくい、しゃべりにくいなど、これまでできていたことができなくなる時期がありました。
それでも自ら訓練を休まれることはなく、その時ご自身でできる仕事をこつこつと続けられました。
そして、ご自身の病気や障がいについて、「体調には良かったり、悪かったりがあること」「その時の対処法」「医療スタッフや誰かの支援を依頼すること」などを理解されました。
これからの仕事や地域生活を考えると、大変なこともあるかもしれませんが、「しょうがないですね」そんな風に笑顔でお話されるAさんの強さを、私たち職員は感じることができました。

令和4年12月、Aさんは「にじ」を退所され、念願の地元に戻られます。
令和5年1月から、地元の就労継続B型事業所での就労が開始となります。
「Aさん大丈夫かな?」そんな心配は全くありません。
私たちは自信を持ってAさんを送り出すことができます。
まもなく新しい年のスタートです。
ご活躍をお祈りしています。
障害者支援施設「にじ」で訓練をされ、令和4年10月からグループホームの生活と就労継続B型事業所での就労を開始したAさん。

グループホームで新しい生活が始まりました
「にじ」では約4年間という長い期間、リハビリと生活、就労の訓練を頑張ってこられました。
左片麻痺と高次脳機能障害が残るAさん。
「にじ」に入所された時は、車いすを使用し、入浴には介助が必要でした。
訓練に真摯に取り組んだことで、歩行できるようになり、入浴や近隣への買い物も一人でできるようになりました。

その後、社会復帰を目指し、就労の訓練をおこないました。
施設内の清掃や器具の消毒作業などをおこなうことで、歩行スピードのアップや、立位バランスの向上につながりました。
パソコンを使用した事務作業もおこないました。
高次脳機能障害の注意障害の影響で見落としやミスなどの指摘を受け、何度も見直す練習を繰り返しました。
その結果、データの入力や集計、毎月の出席表作りなど、責任を持って実施できるようになりました。

就労継続支援B型事業所で週5日仕事をしています

自立した生活を始められたAさん。
「これから、パン屋でパンを買って食べたい。」「コーヒーを喫茶店で飲みたい。」「映画館で映画を見たい。」
生き生きと新しい生活を送られています。
ご自身の障害を受け止め、残存機能を生かして生活する努力を続けるAさんの姿は、私たち支援者の心に残っています。

スタッフと一緒にお弁当をつくります
障害者支援施設「にじ」の就労移行支援OBのAさん。
就労移行支援のご利用を経て就職したのち、現在は就労定着支援をご利用になられています。
就職して3年半が経ち、間もなく就労定着支援も終了です。(就労定着支援事業は、利用開始から3年間の支援ができます。)
就職が決まって「にじ」を退所した時は、ご両親と同居のため、調理をすることなど、考えもしませんでした。

お米を洗います
それから3年半。
その間には、いつも食事やお弁当を作ってくださるご家族が入院するという時期もありました。
面談の中で、「食事が大変だった」とお聞きしました。
そこで、「ご自分でおにぎりを作ってみたらどうでしょう?」という提案から、調理訓練をおこなう運びとなりました。

ラップは難しい・・・
右手が使えなくなってから、キッチンに立つのは初めてです。
「どうやって切るの?」「ラップは難しい・・・」など、実際にやってみて、わかったこともありました。

久しぶりの調理です
お弁当ができあがるまで、約1時間かかりました。
「1時間かあ・・・早く起きんとな」そう話されるAさん。

こんなお弁当ができました!おいしそうです!
施設を退所されてから、3年半という期間には、職場環境だけでなく生活環境の変化もあることを、Aさんの支援を通して学ぶことができました。
「時々は、早起きしてお弁当を作ってみてはいかがでしょうか?」
支援は終了しますが、これからも仕事を続けていただきたいなと願っています。

障害者支援施設「にじ」を退所後に就職したAさま。現在、就労定着支援センターで支援をさせていただいています。
脳出血によって右に麻痺が残ったAさまが就職されてから1年。ひとり暮らしも2年目に入りました。
今回は、麻痺のために右手が使えず、右足にも装具が必要なAさまが、ひとり暮らしをしていくためにされているさまざまな工夫をご紹介します。

ひとり暮らしをするにあたってとても大切なことが「転倒しないこと」。
転倒しない=けがをしない、ということは、仕事の継続にもつながります。
そこで、転倒を防ぐ工夫として、Aさまは、玄関や洗面所にも椅子を置いています。
靴を脱ぎ履きする際に椅子を使うのは想像に難くないと思いますが、お風呂場で着がえや洗顔・歯みがきなどをするときも、椅子に座ればより安全におこなえます。

装具があたって破れることがあるのを考え、靴は多めに用意しています。
靴は、横幅が広いものを選べば市販品でも履くことができるため、おしゃれなAさまもいろいろな靴を楽しんでいます。

また、料理や食事、食器洗いにはすべり止めが必須。使用する場所によって違うすべり止めを用意しています。


さらに、ひとり暮らしで自炊をするAさまには、釘つきのまな板も必要になったため、就労定着支援センターのスタッフが手作りしました。

これからの季節、雨の日の通勤も増えますが、傘は折りたたみを使います。そうすれば、必要のないときにはカバンに入れることができ、手を使えるようになります。
こうした工夫は本当にちょっとしたことなのですが、するとしないのとでは大きな違いがあります。

もちろん、麻痺がありながらひとり暮らしをしていれば、不便なこともたくさんあると思います。
それでも「しょうがないですよ」「だいぶ慣れました」と明るく話してくださるAさま。
日々の生活に小さな工夫を考え、実践しながら安全で快適な暮らしをつくり、「この先5年、10年、単身生活と仕事を続けたい」という目標をかかげて仕事にはげまれるAさまを、わたしたちはこれからも応援していきます!

病棟の食堂テーブルに湯呑みを置いていくAさま
障害者支援施設「にじ」で、就労移行支援の訓練を約3年続けてこられたAさま。この4月に就職が決まり、「にじ」を卒業してついに社会人への復帰を果たされました。
「にじ」では就職を目標に、訓練に一所懸命取り組んでこられたAさまは、出された指示をきっちりと守り、正確かつていねいに仕事をなさる方です。
気持ちもいつも安定しており、ほかの利用者の方と協力して行う作業も、しっかりおできになっていました。
そんなAさまになら「できることがある!」とわたしたち支援者の意見が一致し、今年の1月から現場での実習がはじまりました。
※写真はすべて実習時のようすです。

患者のみなさまにお出しするお茶を作ります

使用済みのたくさんのシーツを片づけ
病院でおこなった実習では、シーツの片づけや消毒作業などの仕事に真摯に取り組み、この病院への春からの就職が決まりました。
病院の看護師、介護福祉士がこれまでしていた仕事からAさまにできる作業が割りふられ、「にじ」就労移行支援の先輩である病院スタッフのBさんが担当する業務も分担することとなり、毎日の担当業務が決まりました。

事務室で廃棄書類をシュレッダーにかける作業中

食堂のアクリル板を拭きあげます

診察室のデスクもすみずみまで消毒
Aさまが就職してもうすぐ約1か月。
病院のスタッフや患者のみなさまから「助かっています」「きれいに拭いてくれてありがとう」という声援をもらい、Aさまは今、充実感でいっぱいの毎日を送っています。
新型コロナウイルスの影響で、きゅうくつな生活がもう2年以上続いています。
Aさまが毎日一所懸命、ていねいに続けている消毒作業は「新しい生活様式」が必要となった令和の時代に欠かせない大切な仕事です。
「世間が必要としているものと、あなたの才能が交わっているところに天職がある」というアリストテレスの名言を、Aさまの働く姿を目にしながら、「にじ」スタッフはかみしめています。