1.目 的
この方針は、社会福祉法人農協共済別府リハビリテーションセンター(以下「法人」といいます。)が運営する全ての事業(社会福祉事業、診療事業、介護保険事業)において、虐待防止とその適切な対応を推進すること等を目的として、「障害者虐待の防止、障害者の養護者に対する支援等に関する法律」、「高齢者に対する虐待の防止、高齢者の養護者に対する支援等に関する法律」、および「障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律に基づく指定障害者支援施設等の人員、設備及び運営に関する基準(平成十八年九月二十九日 厚生労働省令第百七十二号)」ならびに「指定介護予防サービス等の事業の人員、設備及び運営並びに指定介護予防サービス等に係る介護予防のための効果的な支援の方法に関する基準(平成十八年三月十四日 厚生労働省令第三十五号)」等に基づき定めます。
2.虐待防止に関する基本的考え方
法人は、虐待は人権侵害であり、犯罪行為という認識のもと本方針にしたがい、高齢者や障害者等を含めた全ての利用者・患者(以下「利用者等」といいます。)に対する虐待防止、予防及び早期発見を徹底し業務をおこなうことで、利用者等の尊厳の保持・人格の尊重を重視し安全と人権・権利を擁護します。
3.虐待の定義
虐待とは次の行為またはその疑いがある行為(以下「虐待等」といいます。)をいい、法人の役職員はこの行為をおこないません。なお、身体拘束については別に定める「身体拘束の適正化に関する基本方針」に基づきこれを遵守します。
(1)身体的虐待
利用者等の身体に外傷が生じ、若しくは生じるおそれのある暴行を加え、又は正当な理由なく利用者等の身体を拘束すること。
(2)性的虐待
利用者等にわいせつな行為をすること又は利用者等をしてわいせつな行為をさせること。
(3)心理的虐待
利用者等に対する著しい暴言、著しく拒絶的な対応又は不当な差別的な言動、その利用者等に著しい心理的外傷を与える言動をおこなうこと。
(4)放棄・放置
利用者等を衰弱させるような著しい減食又は長時間の放置、他の利用者等による(1)から(3)までに掲げる行為と同様の行為の放置その他の利用者等を養護すべき職務上の義務を著しく怠ること。
(5)経済的虐待
利用者等の財産を不当に処分する、その他利用者等から不当に財産上の利益を得ること。
4.虐待防止委員会その他法人内の組織に関する事項
(1)法人全体の虐待の防止に関する措置を適切に講じるとともに、定期的な「虐待防止委員会」(以下「委員会」といいます。)の開催や研修の実施をおこなうための虐待防止統括責任者として、定款に定める施設長であるセンター長がこれを務めます。また、各事業の施設長または管理者を虐待防止責任者として配置します。
(2)虐待防止の推進を図るための組織として委員会を設置します。委員会の運営方法は次のとおりです。
①委員会はセンター長を委員長として、定期的(6ヶ月に1回以上)に開催します。また、必要に応じて随時開催します。
②委員会で協議した内容は、法人全役職員に周知徹底します。
③その他委員会の構成員および運営等に関する詳細事項は、「虐待防止委員会設置要綱」にて別に定めます。
5.虐待防止のための職員研修
虐待防止への意識を高めるとともに、防止に向けた基礎的内容等の適切な知識を普及・啓発することを目的として、職員に対し次の研修を実施します。
(1)職員を対象に虐待防止等の適正化の推進に向けた研修を、定期的(少なくとも年1回以上)に開催します。研修の実施にあたっては、実施者、実施日、実施場所、研修名、内容(研修概要)等を記載した記録を作成します。
(2)定期研修とは別に、必要に応じて個別、部署別研修を実施します。
(3)入職時には必ず、虐待防止に関する研修を実施します。
6.虐待等が発生した場合の対応方法
(1)虐待等が発生した場合には、速やかに県市町村に報告するとともに、その要因の速やかな除去に努めます。
(2)客観的な事実確認の結果、虐待者が法人の役職員であった場合は、その役職位等の如何を問わず、厳正に対処します。
(3)緊急性の高い事案の場合は、県市町村および警察等の協力を仰ぎ、虐待等を受けた利用者等の権利と安全・生命の保全確保を最優先に対応します。
7.虐待等が発生した場合の相談・報告体制
(1)役職員が虐待等を確認したとき、または利用者等およびその家族、役職員等から虐待等の通報を受けたときには、速やかに虐待防止責任者に報告します。
(2)報告を受けた虐待防止責任者は、速やかに県市町村に報告するとともに、連携して事実確認をおこないます。
(3)虐待の事実が確認された場合は速やかに委員会を開催します。委員会では必要に応じて弁護士や第三者委員等の第三者と連携のうえ当該事案について検証し、原因の除去と再発防止策を講じ、法人内の全役職員に周知・徹底します。また、関係機関等に説明、報告をおこなうとともに、必要に応じて公表します。
(4)利用者等に対して不適切な関わりが認められた場合は、利用者等本人およびその家族に謝罪し安全の確保や不安にならないよう配慮する等、誠意をもって対応します。
(5)虐待を起こした役職員に対しては、就業規則による処分をおこないます。
(6)役職員が虐待等の事実またはその疑いを虐待防止責任者に報告したにもかかわらず、県市町村に報告されなかった場合あるいは、うやむやにされた場合は、法人が別に定める「公益通報に関する規則」に基づき役職員自ら通報します。
8.成年後見制度の利用支援
法人は利用者等およびその家族に対して、成年後見制度の情報を提供するとともに、必要に応じて利用に関する支援をおこないます。
9.虐待等に係る苦情解決方法
虐待等に関する苦情や相談が利用者等からなされた場合は、法人が別に定める「苦情等対応手続規則」に基づき対応します。
10.利用者等に対する当該指針の閲覧
利用者等あるいは法人の役職員および関係者がいつでも本方針を閲覧できるよう、法人ホームページに公開します。
11.その他虐待防止の推進のために必要な事項
(1)何よりも、権利侵害や虐待はその発生を未然に防止することが重要と認識し、風通しが良く日頃から相談・協力し合える職場環境を構築するとともに、日々の業務改善に努めます。
(2)上記5.の研修のほか、県市町村や外部機関等が実施する虐待防止に関する研修にも積極的に参加し、利用者等の権利・人権擁護とサービスの質の向上を目指すよう、自己研鑽を図ります。
12.方針の改廃
本方針の改廃は、委員会で審議のうえ経営会議を経て、理事会で決定します。ただし、軽微な変更は理事長がおこないます。
付則(令和6年2月26日制定)
この基本方針は、令和6年4月1日から施行する。