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【にじ】いざ、地域生活へ①~住まい・生活を整える~

脳出血を発症して右手足の麻痺が残ったAさん。

障害者支援施設「にじ」で訓練を始めて1年3ヶ月。

いよいよ、一人暮らしを始める時期が見えてきました。

Aさんの退所に向けた支援について3回シリーズでご紹介いたします。

初回は、住まい・生活についてです。

環境の整った施設生活においては、時間はかかるものの何でもできるようになりました。

ところが自宅のアパートでは、ちょっとした段差や狭いスペースは動きづらい、一人の入浴は不安といった課題が残りました。

そこで、「にじ」スタッフがご本人・ご家族と一緒に住まいと生活を整えるためにご自宅に訪問しました。

ケアマネジャー、福祉用具業者の方にもお集まりいただきました。

ご自宅では、玄関やベランダ、ゴミ捨て場に行くまでにもちょっとした段差が多くありました。

福祉用具業者の方とともに手すりの設置場所を検討し、実際に設置をしてみて動作確認をおこないました。


玄関には椅子と手すりを設置しました

入浴では、お湯をためてお風呂に入る練習もしました。

浴槽台を使用することで安全に入れることがわかりましたが、一人での入浴は不安が残ったため、慣れるまでは介護保険のヘルパーを利用することとなりました。

帰り道、「お久しぶりですね」とご近所の方から話しかけられ嬉しそうに挨拶を交わされていたAさん。

不安もあるようですが、商工会の会長をされていたこともあり、とても地元に愛着を持たれています。

また温泉好きでもあり、「日中はお仕事をしながらいずれは温泉名人として復帰することが目標です!」と嬉しそうに語ってくださいました。


施設に戻りゴミ袋を結ぶ練習をしました!

次回は、「いざ、地域生活へ~日中の活動を考える~」をお届けします。

【就労移行支援】プレゼンテーション発表会をおこないました


障がいについて説明をしています

2月3日、別府リハの障害者支援施設「にじ」の就労移行支援では、職場の人や就職活動に向けて自分を紹介する「私について」というプレゼンテーション発表会をおこないました。

就労移行支援の利用者のみなさまは、昨年11月頃から準備を始め、ご自身の病気や障がいについて調べ、まとめました。

障がいと向き合い、それを文字に起こすことは、時にタフな作業となりますが、みなさま真摯に取り組まれていて、その姿勢には職員も頭が下がる思いでした。


他の利用者さまのプレゼンも聞いています

スライドの作り方を学び、配置や表現方法を考え、何度も推敲を重ねて原稿を作ります。

タイマーで時間を計り、声や言葉が出にくい方も読みの練習を重ねてきました。

当日は、別府リハの他部署の職員も多く見学に来ており、発表者のみなさまは少し緊張気味でしたが、発表は分かりやすくまとめられていて、お一人おひとりの個性や人柄がよくあらわれたすばらしい内容でした。


他部署から多くの職員が見学に来ました


他部署の職員から質問を受けています

利用者のみなさまはそれぞれ、普段接している中ではわからないような障害を持ち、苦しみながらもそれを補う工夫をしながら生活されています。

このプレゼンは、それらをまとめ、周囲の方々に理解していただくツールの一つです。


発表後に施設長からのあいさつがありました

発表されたみなさまが、この資料や発表体験をもとにご自身を紹介し、将来に役立てることができますよう願っています。

【就労定着支援】食事づくりの提案をおこないました

障害者支援施設「にじ」での訓練を経て、令和4年4月から「にじ」で働き始めたAさん。

現在は就労定着支援をご利用になられています。

今回の支援内容は「野菜を使った食事づくりの提案」です。


包丁で野菜を切って・・・

脳卒中により障害が残るAさん。

「にじ」での就職が決まって一人暮らしを開始し10ヶ月が経ちました。

仕事を丁寧にこなし、今では「にじ」にとって、なくてはならない存在になったAさんです。

しかし、「にじ」に入所していた頃に比べ、体重や健康診断結果に変化が・・・。

毎日の食事内容を書き出していただくと、栄養の偏りや野菜不足が原因の一つと思われました。

そこで、就労定着支援事業の支援として調理訓練をおこないました。


手際よく進めていきます

メニューにたっぷりの野菜を使った「鍋」を提案し、余った材料で「親子丼」も作りました。

左手の片手作業ですが手際よく包丁を使い、卵も上手に割ることができました。

鍋の素は個包装されているタイプで好みの味であったため、今後も活用できそうです。

作った料理で食べきれない分は冷凍庫で保存し、後日追加で麺を投入するなどして、全て食べきることができました。


おいしそうな鍋が出来上がりました

Aさんに限らず、一人暮らしの方は栄養の偏りや運動不足が原因で、気づかぬうちに病気の再発リスクが高くなっている場合があります。

健康チェックや生活面のアドバイスをすることも、就労定着支援の役割の一つです。

Aさんにはこれからも健康を維持していただき「にじ」で長く働いていただきたいとおもっています。

Aさん、今後ともよろしくお願いします。

【にじ】「にじ」からの報告~令和5年のスタート、初詣に行きました~


おみくじを引きました

障害者支援施設「にじ」では、令和5年1月5日、利用者さまと一緒に火男火売神社に初詣に行きました。

初詣とは、「一年で一番はじめに神社やお寺にお参りに行き、新しい一年の幸せを祈願する」ことをいいます。

にじの利用者さまは、病気や事故により、身体の障がいが残っている方がいます。

砂利道や坂道を歩くこと、社殿への階段を上ることが大変な方、お賽銭をお財布から出すのに片手で苦労される方もいました。

それでも境内まで上がり、みなさまお参りをすることができました!


みんなでお参りをしました

「家族の幸せを!」

「みんなの幸せを!」

「体がよくなりますように!」

「就職できますように!」

「早く家に帰りたい!」

それぞれの願いを込めて、手を合わせました。

おみくじをひき、お守りを購入して清々しい新春の一日を過ごすことができました。


大吉でした!


お守りどれにしようかな?


みなさんと初詣に行きました

昨年は、困難なことが多かった一年、2023年はみなさまの願いが叶いますように。

【にじ】「にじ」からの報告~役割を持って働くこと、そして地域へ~

障害者支援施設「にじ」で長年訓練に取り組まれたAさん。

右片麻痺、失語症、そして難病を抱え、社会生活を目標に訓練を続けられました。

「にじ」の仕事への取り組み方はいつもていねい、正確で、責任感も強く安心してお任せできました。

長い訓練期間には、難病の影響で、動きにくい、しゃべりにくいなど、これまでできていたことができなくなる時期がありました。

それでも自ら訓練を休まれることはなく、その時ご自身でできる仕事をこつこつと続けられました。

そして、ご自身の病気や障がいについて、「体調には良かったり、悪かったりがあること」「その時の対処法」「医療スタッフや誰かの支援を依頼すること」などを理解されました。

これからの仕事や地域生活を考えると、大変なこともあるかもしれませんが、「しょうがないですね」そんな風に笑顔でお話されるAさんの強さを、私たち職員は感じることができました。

令和4年12月、Aさんは「にじ」を退所され、念願の地元に戻られます。

令和5年1月から、地元の就労継続B型事業所での就労が開始となります。

「Aさん大丈夫かな?」そんな心配は全くありません。

私たちは自信を持ってAさんを送り出すことができます。

まもなく新しい年のスタートです。

ご活躍をお祈りしています。

【にじ】「にじ」からの報告~新しい生活の始まり~

障害者支援施設「にじ」で訓練をされ、令和4年10月からグループホームの生活と就労継続B型事業所での就労を開始したAさん。

新しいお部屋での生活が始まりました
グループホームで新しい生活が始まりました

「にじ」では約4年間という長い期間、リハビリと生活、就労の訓練を頑張ってこられました。

左片麻痺と高次脳機能障害が残るAさん。

「にじ」に入所された時は、車いすを使用し、入浴には介助が必要でした。

訓練に真摯に取り組んだことで、歩行できるようになり、入浴や近隣への買い物も一人でできるようになりました。

外を歩きます

その後、社会復帰を目指し、就労の訓練をおこないました。

施設内の清掃や器具の消毒作業などをおこなうことで、歩行スピードのアップや、立位バランスの向上につながりました。

パソコンを使用した事務作業もおこないました。

高次脳機能障害の注意障害の影響で見落としやミスなどの指摘を受け、何度も見直す練習を繰り返しました。

その結果、データの入力や集計、毎月の出席表作りなど、責任を持って実施できるようになりました。

箱折り作業に取り組みます
就労継続支援B型事業所で週5日仕事をしています

紐伸ばし作業をおこないます

自立した生活を始められたAさん。

「これから、パン屋でパンを買って食べたい。」「コーヒーを喫茶店で飲みたい。」「映画館で映画を見たい。」

生き生きと新しい生活を送られています。

ご自身の障害を受け止め、残存機能を生かして生活する努力を続けるAさんの姿は、私たち支援者の心に残っています。

【就労定着支援】~就職から3年半が経ちました~

スタッフと一緒に作ります
スタッフと一緒にお弁当をつくります

障害者支援施設「にじ」の就労移行支援OBのAさん。

就労移行支援のご利用を経て就職したのち、現在は就労定着支援をご利用になられています。

就職して3年半が経ち、間もなく就労定着支援も終了です。(就労定着支援事業は、利用開始から3年間の支援ができます。)

就職が決まって「にじ」を退所した時は、ご両親と同居のため、調理をすることなど、考えもしませんでした。

お米を洗います
お米を洗います

それから3年半。

その間には、いつも食事やお弁当を作ってくださるご家族が入院するという時期もありました。

面談の中で、「食事が大変だった」とお聞きしました。

そこで、「ご自分でおにぎりを作ってみたらどうでしょう?」という提案から、調理訓練をおこなう運びとなりました。

ラップは難しい・・・
ラップは難しい・・・

右手が使えなくなってから、キッチンに立つのは初めてです。

「どうやって切るの?」「ラップは難しい・・・」など、実際にやってみて、わかったこともありました。

卵焼きを作ります
久しぶりの調理です

お弁当ができあがるまで、約1時間かかりました。

「1時間かあ・・・早く起きんとな」そう話されるAさん。

完成したお弁当
こんなお弁当ができました!おいしそうです!

施設を退所されてから、3年半という期間には、職場環境だけでなく生活環境の変化もあることを、Aさんの支援を通して学ぶことができました。

「時々は、早起きしてお弁当を作ってみてはいかがでしょうか?」

支援は終了しますが、これからも仕事を続けていただきたいなと願っています。

 

【就労定着支援】脳卒中で片麻痺に。ひとり暮らしの工夫を紹介します

玄関にいす

障害者支援施設「にじ」を退所後に就職したAさま。現在、就労定着支援センターで支援をさせていただいています。

脳出血によって右に麻痺が残ったAさまが就職されてから1年。ひとり暮らしも2年目に入りました。

今回は、麻痺のために右手が使えず、右足にも装具が必要なAさまが、ひとり暮らしをしていくためにされているさまざまな工夫をご紹介します。

スリッパ・装具

ひとり暮らしをするにあたってとても大切なことが「転倒しないこと」。

転倒しない=けがをしない、ということは、仕事の継続にもつながります。

そこで、転倒を防ぐ工夫として、Aさまは、玄関や洗面所にも椅子を置いています。

靴を脱ぎ履きする際に椅子を使うのは想像に難くないと思いますが、お風呂場で着がえや洗顔・歯みがきなどをするときも、椅子に座ればより安全におこなえます。

洗面所にいす

装具があたって破れることがあるのを考え、靴は多めに用意しています。

靴は、横幅が広いものを選べば市販品でも履くことができるため、おしゃれなAさまもいろいろな靴を楽しんでいます。

三足のくつ

また、料理や食事、食器洗いにはすべり止めが必須。使用する場所によって違うすべり止めを用意しています。

食器すべり止め

食器洗いすべり止め

さらに、ひとり暮らしで自炊をするAさまには、釘つきのまな板も必要になったため、就労定着支援センターのスタッフが手作りしました。

釘付きまな板すべり止め

これからの季節、雨の日の通勤も増えますが、傘は折りたたみを使います。そうすれば、必要のないときにはカバンに入れることができ、手を使えるようになります。

こうした工夫は本当にちょっとしたことなのですが、するとしないのとでは大きな違いがあります。

折りたたみ傘

もちろん、麻痺がありながらひとり暮らしをしていれば、不便なこともたくさんあると思います。

それでも「しょうがないですよ」「だいぶ慣れました」と明るく話してくださるAさま。

日々の生活に小さな工夫を考え、実践しながら安全で快適な暮らしをつくり、「この先5年、10年、単身生活と仕事を続けたい」という目標をかかげて仕事にはげまれるAさまを、わたしたちはこれからも応援していきます!

【にじ】利用者の方が障害者雇用で就職!毎日が充実しています

病棟の食堂を清掃する「にじ」利用者A様
病棟の食堂テーブルに湯呑みを置いていくAさま

障害者支援施設「にじ」で、就労移行支援の訓練を約3年続けてこられたAさま。この4月に就職が決まり、「にじ」を卒業してついに社会人への復帰を果たされました。

「にじ」では就職を目標に、訓練に一所懸命取り組んでこられたAさまは、出された指示をきっちりと守り、正確かつていねいに仕事をなさる方です。

気持ちもいつも安定しており、ほかの利用者の方と協力して行う作業も、しっかりおできになっていました。

そんなAさまになら「できることがある!」とわたしたち支援者の意見が一致し、今年の1月から現場での実習がはじまりました。

※写真はすべて実習時のようすです。

病棟でお茶を作るAさま
患者のみなさまにお出しするお茶を作ります

使用済みシーツを片付けるAさま
使用済みのたくさんのシーツを片づけ

病院でおこなった実習では、シーツの片づけや消毒作業などの仕事に真摯に取り組み、この病院への春からの就職が決まりました。

病院の看護師、介護福祉士がこれまでしていた仕事からAさまにできる作業が割りふられ、「にじ」就労移行支援の先輩である病院スタッフのBさんが担当する業務も分担することとなり、毎日の担当業務が決まりました。

シュレッダー作業をするAさま
事務室で廃棄書類をシュレッダーにかける作業中

食堂のアクリル板を拭きあげます
食堂のアクリル板を拭きあげます

診察室を消毒します
診察室のデスクもすみずみまで消毒

Aさまが就職してもうすぐ約1か月。

病院のスタッフや患者のみなさまから「助かっています」「きれいに拭いてくれてありがとう」という声援をもらい、Aさまは今、充実感でいっぱいの毎日を送っています。

新型コロナウイルスの影響で、きゅうくつな生活がもう2年以上続いています。

Aさまが毎日一所懸命、ていねいに続けている消毒作業は「新しい生活様式」が必要となった令和の時代に欠かせない大切な仕事です。

「世間が必要としているものと、あなたの才能が交わっているところに天職がある」というアリストテレスの名言を、Aさまの働く姿を目にしながら、「にじ」スタッフはかみしめています。

【就労定着支援センター】自力での通勤に向け車の改造などを支援!

手の障がいのため、このままではドアが開けられません
改造を終えたAさんの車両。Loopのスタッフの方から教わります

障害者支援施設「にじ」で就労移行支援の訓練を終え、令和元年9月より復職されたAさん。

けがをする前に購入されていた自動車では車いすの積み込みが難しいため、ご家族の送迎で通勤されていました。

しかし、今後のことを考え、ぜひ自分で運転して通勤できるようになりたい!ということでご相談いただき、就労定着支援センターで支援することとなりました。

 

まず、車いすを変更するか改造車にするか、ご自分で通勤できるようになるための方法を一緒に考えていきました。

そして、福祉車両のカスタマイズなどをおこなっている株式会社Loop様に相談にうかがったところ、車いすはそのままで、車にリフトをつけることで積みこみができるようになることがわかり、改造車を購入することになりました。

 

Aさんは、両手機能と両下肢に障がいがあるため、ドアの開閉やリフトの操作、車の乗りこみなど、多くの点で工夫が必要でした。

でも「一人で運転して移動ができるようにしましょう。自分たちにできることはなんでもします!」という心強い言葉とともに、Loopのみなさまがたくさんの改造と工夫を加えてくださって、ついにAさんの車両が完成!

 

5年ぶりの運転で不安もあるので、別府リハの自動車運転コースで、久しぶりの運転に挑戦することになりました。

 

改造が完成した車両への乗り込みを練習するAさん
車いすをつける位置を確認

リフトで車いすを吊り上げます
リフトで車いすを吊り上げます

車いすがきれいに収まりました
別府リハの自動車運転コースで練習。車いすもきれいに収まりました

 

練習の成果で、Aさんは車いすの積みこみもスムーズにできるようになり、5年ぶりに運転席に座ることができました。

5年ぶりの運転席に座るAさん
5年ぶりに座る運転席です

 

雨の日の車椅子の積みこみをどうするかなど、まだ解決すべき点はあるものの、職場の駐車場についても上司の方にすでに相談し、通勤できる日はもうまもなくです。

 

障がいを持ちながら働きつづけようとすると、さまざまな課題に直面して、立ち止まってしまうこともあります。

わたしたちはこれからも、利用者のみなさまと一緒に考えて課題を一つひとつ乗り越え、前に進めるよう支援していきます。

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