障害者支援施設「にじ」では、9月7日に看護師による健康教室を開催しました。
今回の健康教室のテーマは『肩こり・ストレッチ予防改善』についてです。
肩こりなどの悩みを持つ利用者さまが、訓練の後に健康教室へ参加してくださいました。
まずはじめに、看護師より、肩こりはなぜ起こるのか??について説明をおこないました。
肩こりとは、首すじや首の付け根から肩、背中にかけての筋肉がこわばり、だるさや重さ、疲労感、痛みを感じる症状で、「本態性肩こり」「二次性肩こり」に分けられます。
〇本態性肩こり:原因ははっきりしていない。姿勢の悪さ、運動不足、冷え、ストレス、過労、寝不足など。
〇二次性肩こり:病気の症状の一つ。変形性頸椎症、四十肩、五十肩、噛み合わせ異常など。
身体の姿勢が悪いと肩や腰に負担がかかり、肩こりの原因になります。
そのため、車いすや椅子の座り方も大切なため、利用者のみなさまの座り方の確認をおこないました。
姿勢を整えて、次は予防体操です。
この予防体操は、お部屋でも簡単にできるものを紹介しました。
3つの順番で予防体操を進めていきました。①首を前後に傾けるストレッチ⇒②体側伸ばしストレッチ⇒③ウエストひねりストレッチ。
看護師のお手本を見て、上手にタオルを使いながらストレッチをしていただきました。
みなさまの感想として、「肩が軽くなった気がする」「これなら部屋で自分でもできそう」などのお声をいただきました。
肩こりにならないよう、継続して予防体操をおこなっていきましょう!!
障害者支援施設「にじ」を利用されているAさんの退所に向けた支援について、3回シリーズでご紹介しています。
シリーズ最終回の今回は、食事の管理についてです。
一人暮らしの退所準備を進めているAさん。自宅の環境を整え、日中の活動も決まりました。
基礎疾患があるAさん。障害者支援施設「にじ」では、管理栄養士が介入し食事の管理を行っていましたが、一人暮らしでは食事の管理も自分で行っていくようになります。
退所を間近にひかえ、作業療法士と一緒に簡単なおかずを作れるように、釘付まな板を使って片手で野菜を切ったり、スライサーの扱い方の練習をしました。
利き手ではない左手で調理訓練です!
しかし、毎日の食事となると大変です。夕食は基礎疾患に対応した宅配弁当を検討することになり、管理栄養士とお弁当の試食をしました。
ご本人「アジフライが食べたいなぁ(苦笑)」
栄養士「まったく食べないのはきついので、半分にして楽しんでください」
など具体的に食事のアドバイスを行いました。「食事も治療の一つだな…」と改めて自分自身に言い聞かせているご様子でした。
一人暮らしをしながらご自身で健康管理をされるのは、私たち支援者が思う以上に大変なことだと思いますが、生活するうえではとても大切なことでもあります。
管理栄養士と一緒に食事について考えました
利用者のみなさまが健康で、安全に生活でき、安心した環境で社会参加できるように私たちは支援を続けていきます。
障害者支援施設「にじ」を利用されているAさんの退所に向けた支援について、3回シリーズでご紹介しています。
2回目の今回は、日中の活動についてです。
退所の準備を進めるAさん。
右手足の麻痺が残り、以前のように仕事ができなくなりましたが「日中は自分ができることで社会参加したい、仕事がしたい」とお話されていました。
ご本人やご家族と話し合い、就労継続支援B型事業所の利用を目指すこととなりました。
就労継続支援B型事業所とは「障がいや体力、年齢などの理由により一般企業などで雇用契約を結んで働くことが困難な人を対象に、自分の体調や体力に合わせて働くための場を提供する福祉サービス」です。
「にじ」では、B型事業所の利用も想定して、麻痺により片手での作業となる方や指先の失調により細かい作業が苦手な方が工夫して作業ができるように、体力をつけて長時間でも疲れないように、他の方々とうまくコミュニケーションがとれるように、社会参加のための訓練を提供しています。
さて、Aさんですがご自宅から近いB型事業所を2ヵ所見学させていただきました。
アットホームで温かい雰囲気の事業所、作業帽をかぶりモクモクと作業を進める事業所。
どちらも障がいがあっても一生懸命にお仕事をされる利用者の方々の姿とそれを支えるために環境や関わり方を工夫されている職員の方の姿が印象的でした。
Aさんはご自宅から歩いて通えるアットホームな事業所の利用を決めました。
「昔から知っているこの土地は庭のようなものです。ここで自分がやれることを頑張りたい!」と意気込みたっぷりに語っていただきました。
最終回となる次回は、「いざ、地域生活へ~食事を管理する~」をお届けします。
脳出血を発症して右手足の麻痺が残ったAさん。
障害者支援施設「にじ」で訓練を始めて1年3ヶ月。
いよいよ、一人暮らしを始める時期が見えてきました。
Aさんの退所に向けた支援について3回シリーズでご紹介いたします。
初回は、住まい・生活についてです。
環境の整った施設生活においては、時間はかかるものの何でもできるようになりました。
ところが自宅のアパートでは、ちょっとした段差や狭いスペースは動きづらい、一人の入浴は不安といった課題が残りました。
そこで、「にじ」スタッフがご本人・ご家族と一緒に住まいと生活を整えるためにご自宅に訪問しました。
ケアマネジャー、福祉用具業者の方にもお集まりいただきました。
ご自宅では、玄関やベランダ、ゴミ捨て場に行くまでにもちょっとした段差が多くありました。
福祉用具業者の方とともに手すりの設置場所を検討し、実際に設置をしてみて動作確認をおこないました。
玄関には椅子と手すりを設置しました
入浴では、お湯をためてお風呂に入る練習もしました。
浴槽台を使用することで安全に入れることがわかりましたが、一人での入浴は不安が残ったため、慣れるまでは介護保険のヘルパーを利用することとなりました。
帰り道、「お久しぶりですね」とご近所の方から話しかけられ嬉しそうに挨拶を交わされていたAさん。
不安もあるようですが、商工会の会長をされていたこともあり、とても地元に愛着を持たれています。
また温泉好きでもあり、「日中はお仕事をしながらいずれは温泉名人として復帰することが目標です!」と嬉しそうに語ってくださいました。
施設に戻りゴミ袋を結ぶ練習をしました!
次回は、「いざ、地域生活へ~日中の活動を考える~」をお届けします。
障がいについて説明をしています
2月3日、別府リハの障害者支援施設「にじ」の就労移行支援では、職場の人や就職活動に向けて自分を紹介する「私について」というプレゼンテーション発表会をおこないました。
就労移行支援の利用者のみなさまは、昨年11月頃から準備を始め、ご自身の病気や障がいについて調べ、まとめました。
障がいと向き合い、それを文字に起こすことは、時にタフな作業となりますが、みなさま真摯に取り組まれていて、その姿勢には職員も頭が下がる思いでした。
他の利用者さまのプレゼンも聞いています
スライドの作り方を学び、配置や表現方法を考え、何度も推敲を重ねて原稿を作ります。
タイマーで時間を計り、声や言葉が出にくい方も読みの練習を重ねてきました。
当日は、別府リハの他部署の職員も多く見学に来ており、発表者のみなさまは少し緊張気味でしたが、発表は分かりやすくまとめられていて、お一人おひとりの個性や人柄がよくあらわれたすばらしい内容でした。
他部署から多くの職員が見学に来ました
他部署の職員から質問を受けています
利用者のみなさまはそれぞれ、普段接している中ではわからないような障害を持ち、苦しみながらもそれを補う工夫をしながら生活されています。
このプレゼンは、それらをまとめ、周囲の方々に理解していただくツールの一つです。
発表後に施設長からのあいさつがありました
発表されたみなさまが、この資料や発表体験をもとにご自身を紹介し、将来に役立てることができますよう願っています。
障害者支援施設「にじ」での訓練を経て、令和4年4月から「にじ」で働き始めたAさん。
現在は就労定着支援をご利用になられています。
今回の支援内容は「野菜を使った食事づくりの提案」です。
包丁で野菜を切って・・・
脳卒中により障害が残るAさん。
「にじ」での就職が決まって一人暮らしを開始し10ヶ月が経ちました。
仕事を丁寧にこなし、今では「にじ」にとって、なくてはならない存在になったAさんです。
しかし、「にじ」に入所していた頃に比べ、体重や健康診断結果に変化が・・・。
毎日の食事内容を書き出していただくと、栄養の偏りや野菜不足が原因の一つと思われました。
そこで、就労定着支援事業の支援として調理訓練をおこないました。
手際よく進めていきます
メニューにたっぷりの野菜を使った「鍋」を提案し、余った材料で「親子丼」も作りました。
左手の片手作業ですが手際よく包丁を使い、卵も上手に割ることができました。
鍋の素は個包装されているタイプで好みの味であったため、今後も活用できそうです。
作った料理で食べきれない分は冷凍庫で保存し、後日追加で麺を投入するなどして、全て食べきることができました。
おいしそうな鍋が出来上がりました
Aさんに限らず、一人暮らしの方は栄養の偏りや運動不足が原因で、気づかぬうちに病気の再発リスクが高くなっている場合があります。
健康チェックや生活面のアドバイスをすることも、就労定着支援の役割の一つです。
Aさんにはこれからも健康を維持していただき「にじ」で長く働いていただきたいとおもっています。
Aさん、今後ともよろしくお願いします。
おみくじを引きました
障害者支援施設「にじ」では、令和5年1月5日、利用者さまと一緒に火男火売神社に初詣に行きました。
初詣とは、「一年で一番はじめに神社やお寺にお参りに行き、新しい一年の幸せを祈願する」ことをいいます。
にじの利用者さまは、病気や事故により、身体の障がいが残っている方がいます。
砂利道や坂道を歩くこと、社殿への階段を上ることが大変な方、お賽銭をお財布から出すのに片手で苦労される方もいました。
それでも境内まで上がり、みなさまお参りをすることができました!
みんなでお参りをしました
「家族の幸せを!」
「みんなの幸せを!」
「体がよくなりますように!」
「就職できますように!」
「早く家に帰りたい!」
それぞれの願いを込めて、手を合わせました。
おみくじをひき、お守りを購入して清々しい新春の一日を過ごすことができました。
大吉でした!
お守りどれにしようかな?
みなさんと初詣に行きました
昨年は、困難なことが多かった一年、2023年はみなさまの願いが叶いますように。
障害者支援施設「にじ」で長年訓練に取り組まれたAさん。
右片麻痺、失語症、そして難病を抱え、社会生活を目標に訓練を続けられました。
「にじ」の仕事への取り組み方はいつもていねい、正確で、責任感も強く安心してお任せできました。
長い訓練期間には、難病の影響で、動きにくい、しゃべりにくいなど、これまでできていたことができなくなる時期がありました。
それでも自ら訓練を休まれることはなく、その時ご自身でできる仕事をこつこつと続けられました。
そして、ご自身の病気や障がいについて、「体調には良かったり、悪かったりがあること」「その時の対処法」「医療スタッフや誰かの支援を依頼すること」などを理解されました。
これからの仕事や地域生活を考えると、大変なこともあるかもしれませんが、「しょうがないですね」そんな風に笑顔でお話されるAさんの強さを、私たち職員は感じることができました。
令和4年12月、Aさんは「にじ」を退所され、念願の地元に戻られます。
令和5年1月から、地元の就労継続B型事業所での就労が開始となります。
「Aさん大丈夫かな?」そんな心配は全くありません。
私たちは自信を持ってAさんを送り出すことができます。
まもなく新しい年のスタートです。
ご活躍をお祈りしています。
障害者支援施設「にじ」で訓練をされ、令和4年10月からグループホームの生活と就労継続B型事業所での就労を開始したAさん。
グループホームで新しい生活が始まりました
「にじ」では約4年間という長い期間、リハビリと生活、就労の訓練を頑張ってこられました。
左片麻痺と高次脳機能障害が残るAさん。
「にじ」に入所された時は、車いすを使用し、入浴には介助が必要でした。
訓練に真摯に取り組んだことで、歩行できるようになり、入浴や近隣への買い物も一人でできるようになりました。
その後、社会復帰を目指し、就労の訓練をおこないました。
施設内の清掃や器具の消毒作業などをおこなうことで、歩行スピードのアップや、立位バランスの向上につながりました。
パソコンを使用した事務作業もおこないました。
高次脳機能障害の注意障害の影響で見落としやミスなどの指摘を受け、何度も見直す練習を繰り返しました。
その結果、データの入力や集計、毎月の出席表作りなど、責任を持って実施できるようになりました。
就労継続支援B型事業所で週5日仕事をしています
自立した生活を始められたAさん。
「これから、パン屋でパンを買って食べたい。」「コーヒーを喫茶店で飲みたい。」「映画館で映画を見たい。」
生き生きと新しい生活を送られています。
ご自身の障害を受け止め、残存機能を生かして生活する努力を続けるAさんの姿は、私たち支援者の心に残っています。
スタッフと一緒にお弁当をつくります
障害者支援施設「にじ」の就労移行支援OBのAさん。
就労移行支援のご利用を経て就職したのち、現在は就労定着支援をご利用になられています。
就職して3年半が経ち、間もなく就労定着支援も終了です。(就労定着支援事業は、利用開始から3年間の支援ができます。)
就職が決まって「にじ」を退所した時は、ご両親と同居のため、調理をすることなど、考えもしませんでした。
お米を洗います
それから3年半。
その間には、いつも食事やお弁当を作ってくださるご家族が入院するという時期もありました。
面談の中で、「食事が大変だった」とお聞きしました。
そこで、「ご自分でおにぎりを作ってみたらどうでしょう?」という提案から、調理訓練をおこなう運びとなりました。
ラップは難しい・・・
右手が使えなくなってから、キッチンに立つのは初めてです。
「どうやって切るの?」「ラップは難しい・・・」など、実際にやってみて、わかったこともありました。
久しぶりの調理です
お弁当ができあがるまで、約1時間かかりました。
「1時間かあ・・・早く起きんとな」そう話されるAさん。
こんなお弁当ができました!おいしそうです!
施設を退所されてから、3年半という期間には、職場環境だけでなく生活環境の変化もあることを、Aさんの支援を通して学ぶことができました。
「時々は、早起きしてお弁当を作ってみてはいかがでしょうか?」
支援は終了しますが、これからも仕事を続けていただきたいなと願っています。